―波の下にも、都のさぶらふぞ。

「平家物語」より

 

波の下には都があるという。

子供のころ、死に別れた母さんがそう言っていた。

あと4ヶ月で20歳になる、夏の日の物語。

日常の歯車が、だんだんと狂い始める―。

 

クトゥルフ風ホラーADV

波の下の都

 

概要  登場人物  世界設定

 

 概要

 村を束ねる御島家の一人息子・直也は、20歳を間近に控えて、嫁を指名し家を継ぐことになる。

 だが彼の心に引っかかっていたのは、村を出て行った許婚・叶恵のことだった。

 彼女が帰ってくることは、あるのだろうか?

 祭りを控えた夜、ある民俗学者の車が事故を起こして村に迷い込む。

 助手として乗り込んでいたのはあろうことか叶恵だった。

 その日から、奇怪な出来事が起こり始める……

 

 登場人物

・御島 直也 (みしま なおや)

 主人公。19歳。八十一戸(やそいちのへ)村の網元であり、随一の名家である御島家の一人息子。両親を幼い時に亡くし、祖母に育てられた。

 ギリシャ語・ラテン語を独学で学び、クレー射撃の名手でもある優秀な少年だが、無表情でマイペース、つかみどころのない人間と見られている。

 病弱で神経過敏なところがある。魚介類に恐怖とも言える感情を抱いており、網元の息子でありながら一切口にできない。そのため漁師たちには評判は悪い。

 そんな理由のためか、20歳になったときに御島家の当主を継ぐことになっているが本人はあまり乗り気ではないようだ。

 

・井原 叶恵 (いはら かなえ)

 直也の隣の家に住んでいた少女。19歳。母親同士が親友だったこともあり、直也とは幼馴染の仲。また、直也の母・美津子の意志により、実質直也の許婚でもあった。

 だが高校三年生の時、村を出て行くべからずという掟を破って東京の大学を受験し、直也の助けを借りて母の死と同時に上京した。村では裏切り者扱い。

 小柄で幼い外見に似合わず気が強く、直也を言い負かすこともしばしば。 現在は大学二年生、アルバイトをしながら寮暮らしでなんとかやっているらしい。

 ふとしたことから再び村に足を踏み入れ、事件に巻き込まれる。

 

・木下 美沙緒 (きのした みさお)

 直也の年下の幼馴染。18歳、高校三年生。兄・誠志は直也と同学年。

 村一番の腕利き漁師の娘であり、家事を一手に取りしきる少女。その弁当作りの腕前は誰しも認める。

 どちらかというと劣等生であり、天才型の直也、秀才型の叶恵と二人の幼馴染に挟まれ、若干コンプレックスを感じているようだ。直也に浅からぬ思いを寄せているらしいが……

 

・新藤 冬美 (しんどう ふゆみ)

 21歳。直也の家に、隣町から通いで来ている家政婦。 家政婦なので、当然何かを見てしまったりもする。

 原付を乗りこなす長身の女性。明るく豪快な性格で、雇い主である直也をからかったりする一面も。

 複雑な家庭事情のため実家を出、彼氏と同棲中らしいが……根本的な性格は、だめんずうぉーかーである。 

 

・岩田 絹子 (いわた きぬこ)

  御島家に古くから勤める、ベテランの家政婦。好き勝手に生きている直也も、彼女には頭が上がらない。

 米子・美津子・直也と、三代に仕えた。介護の資格を持っており今も甲斐甲斐しく米子の世話をしている。

 

・御島 米子 (みしま よねこ)

 直也の祖母。病に倒れ、現在ほぼ人事不詳の状態。

 娘の美津子、甥の武則の間に生まれたのが直也である。

 

・宮本 継枝 (みやもと つぐえ)

 村唯一の医師。牧師であった夫を事故で亡くしたあと、東京から移住してきた。

 敬虔なクリスチャンであり有能な医師であるが、多忙だったせいか娘が自分にあまり懐いていないのを気にしている。

 

・宮本 明保 (みやもと あきほ)

 継枝の娘。7歳。歳の割に極端に冷めた小学生であり、同世代の中では孤立している。そのせいか直也とは波長が合うようだ。

 懐いていた父を失ってから、世をすねているようだ。雄一には可愛がられているが、本人は雄一を子供扱いしている。

 

・御島 壮二郎/雄一 (みしま そうじろう/ゆういち)

 壮二郎は直也の母美津子の弟、直也の叔父にあたる。御島家は代々長子相続なので、こちらの家が分家となる。

 美津子の苛烈な性格とは正反対の穏やかな男性であり、姉とは折り合いが悪かったようで本家と関わることを今でも嫌がる。

 その息子が中学二年生になる雄一である。将来は看護士を志す正義感の強い少年であるが、父と同様に本家の直也を避けているところがある。

 

・土橋 豊 (つちはし ゆたか)

 叶恵の通う大学の元教授(定年退職ののち、講師)。若い時に著した図鑑が、叶恵に将来を決意させるきっかけであった。

 民俗学研究者としての実績は高く評価されているものの、熱中すると周りが見えなくなり周囲の者を振り回すたいへん迷惑な人。

 噂によると、女性関係にはだらしなく結婚離婚を三回ほど繰り返しているらしいが……

 

・ホレイショ・ブラウン

 マサチューセッツ州ミスカトニック大学の若き研究者。土橋のフィールドワークについて日本に来た。

 土橋とは対照的に、落ち着いた常識人。

 

 用語集

・ 八十一戸村

 「やそいちのへむら」と読む。直也たちが住む村……というか、厳密に言うと集落。漁業が盛ん。湾と山脈に囲まれた三日月形の地域である。

 御島家を頂点とする極めて排他的な性格の村であり、村人が村を捨てて他所へ移住することは堅く戒められている。

 村人のほとんどが幕末期に流れ着いた一人のアメリカ人男性の血を引き、また血族結婚を繰り返したせいか日本人離れした薄い茶色の虹彩をもつものが多い。

 「ご先祖様」と呼ばれる存在を崇め、彼らが海から帰ってくると言われるお盆の8月15日には生肉をそなえ家に閉じこもる習慣がある。

 村名の語源は「耶蘇」であるとも言われ、上記の祭りと過越祭の類似点からキリスト教文明との関係も示唆される。

 

・御島家

 村一番の分限者であり、網元の一族。「ご先祖様」を祭る祭司の役割も果たす。

 男女問わない長子相続(ただし、婿が采配を振るうことも多い)であり、後継者は20歳になる年の夏祭りで配偶者を指名するのが慣習。

 先代は直也の母、美津子。評判の美女であり、右目が緑色、左目が茶色という異貌の持ち主でもあった。

 7歳年上の従兄・武則を婿にし一子を儲けるも、直也7歳のときに病死したとされている。  

 

 完成予定:まだまだ全然

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